2011.03
うたらばvol.02【細雪】 24首
(写真作品)

革命はしずかに起こる手をひかれきみと走った粉雪のなか(紗都子)

初恋に気づいてしまう取り合ったチョークでちいさく描くゆきだるま(こゆり)

語らない唇のため降る雪を刹那消し去るコンビニの灯(ひ)は(飯田和馬)

すぐ消えてしまうことなど分かってて、それでも(だから)雪は降るんだ。(龍翔)

午前二時の事故を目撃した人を求む看板に細雪舞う(太田宣子)

あしたにはやんでる雪を窓越しにひとりで見てる窓際の席(篠原謙斗)

バスの窓駆け上がる雪 ねえ、あのさ サビしか知らないあれ歌ってよ(とびやま)

春を待つ方法としてわたしなら真っ白になる覚悟はあるよ(ミボツダマ)

雪だるまさん そばにいて欲しいけど同じ世界じゃ溶けてしまうの(ショージサキ)

さらさらと降りつぐ雪におおわれてスノードームの町のともしび(纏亭写楽)


(佳作集作品)

「綺麗」って君が仰ぎ見る雪にさえ嫉妬していた 初恋だから(佐倉さき)

大声で「寒い寒い」とはしゃいでる チラチラ落ちる雪のせいにして(檀可南子)

降りやんだ雪を小さな肩にのせあなたはまたねと始発に向かう(纏亭写楽)

真夜中に千切れ散る雪、頬にうけ「もしもし」「もしもし?」それだけのため(ヒラタ アリ)

『細雪』の図書カードにはあいつとの相合傘を書いてたままだ(天鈿女聖)

どこだかに置き忘れてきたサヨナラの粒がいくつも落ちてくる、雪(goki)

熊たちのロマンあふれる冬眠を祈るしかない 朝礼のとき(とびやま)

もう君を暖めないと決めたんだ雪よひらひら手のひらに降れ(野比益多)

落ちて来る雪を音色に表すとカリンバカリンすこしうるさい(空音)

『初雪はおしゃべり好きが多いから今夜のノイズはきっとそれでね』(飯田彩乃)

はぐくんだ愛も小さなわがままで粉々になる屍に雪(くらむぽん)

手のひらで溶けていく雪 もうわたし冷たい人じゃなくなったよね(逢)

粉砂糖こぼれて夜のテーブルにふたつの指が冬をおしえる(むしたけ)

「ゆき」と言い終わった後の口許の微笑みがあまりに優しくて(yukiduki_skr)

 *

幸せのかたちに似てる冬空に落ちた金平糖のひとつぶ(田中ましろ)